台湾グルメとレトロな建物の旅⑩ 迪化街で日本統治下時代の建物を探す

李春生記念教會
日本統治下の建物 李春生記念教會

台北屈指のフォトジェニックなスポット「迪化街」付近は、日本統治下時代は「永楽町」や「太平町」と呼ばれていました。

永楽市場周辺まで来て「食材を買い込みたい!」という友達と別れて、ワタシは旧永楽町を中心に日本統治下時代の建物を探して歩きます。初めての台湾だけど、治安が良いことはわかったし、ここから泊まっているシティースイーツ台北 ベイメンiconホテルまでは一本道なので、迷うこともないだろう。一人行動でも問題なし!

 

1.ビジターセンターで日本語マップをもらおう!

迪化街が初めてなら、URS444大稲埕ビジターセンターに行ってみることをおすすめします。

建てられたのは1924年(大正13年)。これも日本統治下時代の建物なのですが、迪化街の観光では欠かせない場所なんです。

大稲埕故事工坊
大稲埕故事工坊

大稲埕故事工坊という看板がありますが、観光案内所(URS444大稲埕ビジターセンター)が入っています。大稲埕とは、迪化街のここらへんのかつての呼び名らしい。

大稲埕故事工坊内の地図
大稲埕故事工坊内の地図

周辺の建物の配置地図が飾ってありました。でもこれは漢字とはいえ、繁体字なのでよくわからない。

英語でもよいからマップがあるか聞いてみたら、親切にマップとともに行き方を教えてくれました。英語で話していたのだけど、日本から来たことを告げると、ビジターセンターを出ようとしたところで追いかけてきてくれて日本語版もくれました。台湾の人ってみんな親切だよな。

無料でもらえるマップ
無料でもらえるマップ

上の超細かいマップは英語版。下は日本語版。
プロットされているレストランや建築物、商店は少ないけれど、ひとつひとつのスポットは詳しく解説が書いてあって、ミシュランのビブグルマンをとった店が迪化街にあるということをこのマップで知りました。
ありがとう。URS444大稲埕ビジターセンター。これで迪化街のメインストリートから離れた場所でもたどり着けそうです。

URS444大稲埕ビジターセンター

竣工:1924年(大正13年)

住所:台北市迪化街1段44号 大稲埕故事工坊内
Tel:(02)2559-6802
日本語の迪化街のマップあり。日本語が通じるかどうかはわかりません。

 

ビジターセンターは迪化街の中心地にあるのですが、ちょっとさかのぼって大橋頭駅から迪化街一段の通りに入るとすぐのところにある「稲舎」を紹介します。
日本統治時代初期時代の建物で今となってはとても貴重。現在は「稲舎 Rice&Shain」という台湾料理のレストランになっています。

稲舎
稲舎

もともとこの界隈には精米所が多かったということで、「稲舎」という店名も納得。

また、精米所として使用されたのは1923(大正12)年からで、当時は1階は精米所、2階は住居、3階は倉庫として使われていた。

台北・歴史建築探訪ー日本が遺した建築遺産を歩く 片倉佳史著 P.267

2010年にリノベーション工事が終わり、ギャラリーも併設されたそうです。提供される食事は定食で出てくるということなので、一人旅でふらっと入りやすいですね。

稲舎の壁画
稲舎の入口

入口の壁にある絵が目印です。赤レンガの色合いの古さがまたいい!

 

2.日本統治下時代の建築物を探しに行こう!

ということで、日本統治時代の建物紹介です。

旧屈臣氏大薬房
旧屈臣氏大薬房

入口の上に書かれている「屈臣氏大薬房」とは、香港ワトソンズ(屈臣氏)のことで、香港発の漢方薬局から転じたドラッグストアチェーンです。薬商の李氏が代表権を取得して1917年(大正6年)に建てました。残念ながら1966年に火災で焼失したのちに放置されていたのですが、外壁や壁面に掘られた飛龍麒麟のレリーフは残り、当時の姿に近づけて再建されました。リノベの前の写真を見ましたが、マカオの世界遺産である聖ポール天主堂跡みたいに 外壁しかなかった。そこからよくぞ再建した!

現在ではアートスペースとして利用されているそうです。知っていたら堂々と入れたのだけど、迪化街での建物は外観と中身が違うことが多くて入りにくい。下調べしておけばよかったなとちょっと後悔。

1階 1920sという書店と台湾生まれのブランドショップ
2階 ASWという英国式のティールーム
3階 イベントスペース「思劇場」

2階のティールームでアフタヌーンティーしたかったぞ。

小藝埕(旧屈臣氏大薬房)

竣工:1917年(大正6年)
住所:台北市迪化街1段34号
アクセス:永楽市場の斜め向かい

 

李春生記念教會
李春生記念教會

李春生記念教會は小さいながらも堂々としていて風格のある赤レンガの教会。この一帯は日本統治時代は「港町」と呼ばれていただけあって、川のすぐ近くにあります。

李春生は台湾茶を欧米に輸出した先駆者で「台湾茶葉の父」と呼ばれています。公益活動に熱心だった彼を記念して寄付によって建てられました。
毎週日曜日の午前10時には現在も礼拝が行われています。

李春記念教會

竣工:1937年(昭和12年)

住所:台北市大同区貴徳街44号
Tel:(02)2558-0753

 

旧警察官吏派出所
旧警察官吏派出所

旧警察官吏派出所は、迪化街というよりむしろ台北駅の方が近いかな。台北駅から泊まっていたホテルの間にあり、どこへ行くにもこの前を通っていました。ラウンドフォルムがかわいらしい建物だったので、日本統治下時代かどうかは気にせずに写真を撮ったのだけど、終戦までは「永楽町5丁目の交番」と呼ばれていたそうです、現在は消防隊の分隊が置かれていて、台北市義勇消防大隊 延平中隊第一分隊という名称です。

赤レンガに青いドア。青い窓枠もかわいらしい。中に入れないのがちょっと残念。

台北市義勇消防大隊 延平中隊第一分隊(旧警察官吏派出所)

竣工1933年(昭和8年)

 

迪化街には素敵な建物がまだまだいっぱい。散策の合間にはこんなスポットもあります。

Mikkeller Taipei で永楽町ビールを
Mikkeller Taipei で永楽町ビールを

大稻埕エリアが若者で人気のスポットになった火付け役はこの建物の中にあるMikkeller Taipei。デンマークのビールブランドMikkellerがオープンしたビアバーなんです。この周辺にはひときは外国人が多い。
歴史の古い建物というけれど、調べてもよくわかりませんでした。

でも、ここで取り上げるには理由がある。

日本統治時代の大稻埕エリアの旧名「永楽町」という名前の大稻埕限定のお酒があるんです!
散策のあとはゆっくりビールはいかがですか?

Mikkeller Taipei

住所:台北市大同區南京西路241號
Tel:(02)2558-6978
営業時間:
 月・水・木 16:00〜24:00
 金・土 16:00〜25:00
 日 16:00〜24:00
 火曜日定休
アクセス:北門駅が最寄り駅です

 

3.迪化街に行くなら台北霞海城隍廟もお忘れなく

今回は日本統治下の建物を見に行く旅、というのがテーマだったので行きませんでしたが、迪化街に行くなら台北霞海城隍廟もお忘れなく!

台北霞海城隍廟
台北霞海城隍廟

このお寺は縁結びに大変ご利益があるというパワースポット!グルメがメインの旅行であったとしても、女性ならまずここに足を運ぶという有名なお寺です。

縁結び祈願で有名です
縁結び祈願で有名です

恋愛の神様という「月下老人」を祀っているということで、中国や香港からも参拝にくるのだそう。
このお寺のまわりは線香の煙がもくもく。参拝の人で途切れることはないです。

狛犬?のおしりがプリティ
狛犬?のおしりがプリティ

台北霞海城隍廟の前にいらっしゃった狛犬???
沖縄のシーサーといい、カンボジアのシンハ(ライオン)といい、こういった守護の動物たちの後ろ姿ってなんてかわいいんでしょう。

迪化街散策編はこれにて終了。夕飯は台湾で1番うまいと言われる鍋料理のお店でいただきます!

迪化街

住所:台北市迪化街
アクセス:大橋頭駅出口1から出ると迪化街の北側に出ます。北門駅出口2を出て北上するコースもあるが、散策後にまた移動することを考えると、大橋頭駅出口から南下したほうがどこに行くにもアクセスは良いです。
(ホテルも北門や台北駅近くに集中しているので、ホテルに帰るにもその方便利です。)

 

4.長白小館 酸菜白肉火鍋専門店へ

夕飯は日本から予約をしておいた酸っぱい白菜の鍋です。
人気店なのでグルヤクなどで事前に予約して行くことをお勧めします。ワタシは予約して行きました。

長白小館
長白小館

長白小館の周辺にはおしゃれなレストランやカフェが立ち並んでいますが、こちらのお店は「大衆食堂」といった感じで気軽に入れる雰囲気。入るとすでに地元のお客さんでいっぱいでした。

酸っぱい白菜の鍋です
酸っぱい白菜の鍋です

日本人の口にも合うという白菜の鍋。2人なので「酸菜白肉 小(2人前)」
お肉は2皿分が選べて、豚肉、牛肉、羊肉が選べます。やっぱり羊肉は食べてみたいよねーということで、豚バラ肉と羊肉を選びました。

こちらのお店のオーナーは黒龍江省出身で、黒龍江省とは、中国の最北端に位置し、冬はとてつもなく寒い。体を温めるために羊肉を食べるというのは理にかなってるんですね。日本でも中国の北のあたりの食事を出すところがありますが、いわゆる「中華料理」とは異なっていて、どちらかというとモンゴルの羊肉料理に近いように感じます。

東洋医学的に羊肉は体を温めるのに最も良い食べ物。冷え性のワタシはあまり感じませんが、暑がりの人はジンギスカンをめいっぱい食べると熱くて夜は眠れなくなるくらい即効性があるんです。

オリジナルのタレで食べる!
オリジナルのタレで食べる!

タレは自分で作るようになっていて、お店の奥に胡麻ペーストやおろしにんにく、ニラペーストなどタレや調味料を自由に加えられるスペースがあって、自分で自由に組み合わせられます。ワタシはおろしにんにくと胡麻が気に入りました。
写真の奥にわずかに映っているアルミのカップに入れて混ぜ混ぜ。

お鍋は確かに酸っぱい!出汁が効いたスープなのですが酸っぱいさっぱりとした鍋です。白菜とお肉中心で、いくらでも食べれる。食が進む。友人はパクチーを大量に入れてました。

日本人には合う味だと思います。ワタシはもともと酸っぱいのが苦手だったので、つけだれで自分好みでアレンジしていただきました。
女性2人だと量が多かったので、男性なら2人でちょうどいいくらい。女性なら3人くらいがちょうどよいかも。台北に行くならこの店は一度は行ったほうがいいですよ

長白小館

住所:台北市大安区光復南路240巷53号
Tel:(02) 2751 3525
営業時間:11:30~14:00、17:00~21:00
アクセス:國父紀念館駅 2番出口から徒歩5分

 

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台湾グルメとレトロな建物を訪ねる 旅行記

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初めての台湾旅行で役立ちました!


地球の歩き方 台北 2019~2020

グルメやマッサージなど普通の台湾旅行なら「るるぶ」や「ことりっぷ」でも十分だけど、建物を巡る旅など自分でテーマを決めて旅するならやっぱり「地球の歩き方」が一番詳しい!今回の旅ではとてもお世話になりました。


台湾に生きている「日本」

今回の「日本統治下の建物」を探す旅は、この本無しでは成り立たなかった!
10年前の本で少し情報は古くなるものの、建物はそこに在り続けるわけで。今回は台北だけだったので、台中、台南にもぜひ行ってみたいです!

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