台湾大学病院

台湾大学病院

国立台湾博物を後にし、さらに日本統治下の建物を探しに台北の街を歩く。向かうは台北州庁(現監察院)。
赤レンガと白い石が特徴の辰野式の建物をめぐります。

旧台北州庁舎(監察院) 国定古跡

台北州庁は辰野金吾の弟子であった森山松之助によって設計されました。
辰野金吾とは、お雇い外国人のジョサイア・コンドルから建築を学び、「辰野式」と呼ばれた赤レンガと白い石で積み上げたデザインが有名な建築家。誰もが一度は目にしたことがある東京駅は彼の作品です。
森山松之助は日本の建築物も設計しましたが、日本統治下の台湾ではもっとも影響力があったそうで、現在も残る数々の建物を設計しています。その多くは赤いレンガと白い石の組み合わせが特徴の辰野式です。

森山松之助が設計した現存している建築物
  • 台北州庁(現監察院)・・・・・訪問済み
  • 台湾総督府(長野宇平治の基本デザインを改変)
  • 台中州庁(現台中市政府
  • 台湾総督官邸(現台北賓館
  • 台南州庁(現国立台湾文学館
  • 久邇宮邸御常御殿(日本 元聖心女子大学「パレス」
  • 新宿御苑台湾閣(日本 旧御涼亭
  • 片倉館会館・渡廊下・浴場(日本)

国立台湾博物館からは歩いて5分ほど。交差点の向かい側に赤レンガの建物が見えてきました!

旧台北州庁舎 監察院

旧台北州庁舎

玄関の上に「監察院」という表札が出ています。
国定古跡の建物ということからか、残念ながら現在は修復中。現役バリバリで使われている建物で、普段は非公開。予約をすれば金曜日の特定の時間帯のみ見学可能です。

建築様式はバロック式。華麗で豪華。屋根はビザンティン建築、入口の柱はトスカーナ式。
玄関の上にドームがあり、両サイドにまたドームを配置しています。玄関の中央からL字型に広がっていて、これは台北に残る日本統治下の建物にはよく見られる形をしています。

東京駅にそっくり!と日本人観光客に話題ということですが、それは正面からではわからない!

横です。横っ!東京駅そっくりだ!

ここだけ見たら東京駅

ここだけ見たら東京駅

よく見ると1階と2階で窓の形も違う。凝ってるなぁ。

南国っぽい雰囲気

L字型というか、中央ドームから交差点に沿うように建物が長く突き出ているんだけど、そのサイドには円形のドームを携えている。あの円形部分は部屋になっているのだろうか。あるいは螺旋階段になっているのだろうか。
背の高い南国の木と一緒にみると、南国っぽい雰囲気に見えますね。実際、台湾は温暖で、私の友人も皆、「冬場は暖かいから」と冬に台湾を訪れる人が多いです。ワタシが行った2018年12月15日~17日は、現地の人に言わせると例年に比べると寒かったようで、それでもやっぱり日本よりは暖かかった!

この日は土曜日で台北州庁舎の見学日ではなかったので、敷地内には入らないで柵の外から撮影。今度は公開日に合わせてまた来たい!

旧台北州庁舎 (現在:監察院)

竣工:1915年(大正4年)
設計者:森山松之助
建築様式:バロック式 屋根はビザンティン様式、入口の柱はトスカナ様式を採用

住所:台北市忠孝東路1段2号
入場時間:毎週金曜日 9~12時/14~15時(要予約)
アクセス:台大醫院駅から5分ほど。
国立台湾博物館とセットでまわれます。

icon_airplane_mini 日本基督教団台北幸町教会 (濟南基督長老教会)

台北州庁舎から国立台湾大学病院旧館に行く前に見つけた教会。この旅に出る前に下調べしたときに走らなかったのですが、素敵な建物だと思って1枚撮影したら、こちらも日本統治の時代に日本人によって建てられたそうです。

濟南教会

台湾在住の日本人と台湾の豪商のために作られたという。こちらも赤レンガと白い石で組み合わされています。
設計者は井手薫。東京帝国大学の建築科を卒業後、辰野・葛西建築事務所に入って辰野金吾のもとで働いたという。「赤レンガ+白い石」の組み合わせは納得。この協会は井手薫にとって台湾で初めての建築作品とのこと。
「赤レンガ+白い石」ではない建物も設計していて、中山堂(当時は台北公会堂)も彼の作品です。台湾で唯一魚鱗銅瓦を使った教会ということなので、寄り道して見ていけばよかったー。

井手薫が設計した現存している建築物
  • 日本基督教団台北幸町教会(現濟南教会)・・・訪問済み
  • 台北公会堂(現中山堂
  • 台北市役所(現行政院

写真ではちょうど木に隠れて見えなくなってるのだけど、正面の右側には鐘楼があります。建物はとても重厚な雰囲気で、ヨーロッパの教会のようです。
時間が無くて写真を撮っただけなので、次回はじっくり見学したい。

日本基督教団台北幸町教会 (現在:濟南教会)

竣工:1916年(大正5年)
設計者:井手薫
建築様式:ゴシック様式

住所:台北市中正区中山南路3号
入場時間:火曜日~金曜日 10:00~14:00
料金:無料
アクセス:台大醫院駅から5分ほど。
国立台湾博物館とセットでまわれます。

icon_airplane_mini 台湾総督府台北医院(国立台湾大学付属医院旧館)

濟南教会の次は台湾総督府台北医院(現国立台湾大学病院旧館)へ。近藤十郎によって設計された建物です。
明治時代にはすでに病院として開業していましたが、1924年に近藤十郎が設計した建物が台湾大学病院の旧館として残っています。

近藤十郎が設計した現存している建物
  • 台北医院(現在:国立台湾大学病院)・・・訪問済み
  • 西門市場(現在:西門紅楼)・・・・・・・訪問済み
  • 建成小学校(現在:台北当代美術館)・・・訪問済み

ルネッサンス様式で装飾が細かい台北医院。正面玄関は車寄せがあり、その上はバルコニーになっています。これが当時も現在も病院だったの!?と驚くほど素敵な建物なのです。

地図を頼りに歩くと近代的な建物が。ん?これは違うな。
Google Mapで検索すると、同じ敷地内でも南側の建物らしい。ということで構内に入って抜けて歩くと、あったぁ

「赤いレンガと白い石」の辰野式の建物が見えてきた!これはかっこいいぞ!

台湾大学病院

台湾大学病院

特に真正面から見るとデコレーションのすごさがわかる。窓ひとつとっても1階、2階、3階ではデザインが全く違う。
赤いレンガ積みにしたとして、白い石の柱があればそれだけで強弱は着くと思うのだけど、あえてそこで白い石で横線を引く。そこまで凝るか!?という凝りようです。
土台を上げて階段の上に立てているのは衛生面を考慮して、とのことらしい。

台湾大学病院

台湾大学病院

車寄せの上にはバルコニー。ここに立って下界の人間に手を振ったら大統領な気分だな。

ところで気づきましたか?
この建物の中央上部には三角屋根があって、その中央に丸い窓があるように見えるけど、実は違うんです。
後ろの建物に三角屋根。前の建物には丸い窓が付いていて、正面から見るとそれらが組み合わされているように見えるのです。

だからちょっと横にずれると2つの装飾が別のものだということがわかる。

台湾大学病院

台湾総督府台北医院

凝ってるなぁ~。
単純に「病院」を作るだけならここまでする必要はないはず。東アジアの重要拠点である台北に大日本帝国の威信をかけて見せつけるべく建てられたんだろうな。よっ!東アジア一の大規模病院!!!

台湾大学病院

台湾大学病院

斜め下からあおって撮ってもかっこいいし。

台湾大学病院

台湾大学病院

ひょえぇ~。真下から撮るとさらに装飾がすごかった!
あまりの芸の細かさに脱帽です。

と思ったら。中もすごかった。これが現役の病院とは思えない!

ホールに入って思わず一言。「折上げ天井かよっ!」
城の御殿建築とかによくあるやつですね。格式の高い部屋に適用する天井の装飾。
いやはや豪華。とにかく豪華。
床の装飾から吹き抜けであったり、壁に貼り付けてあるタイルのような模様、そして天井。ホテルと言われても違和感ないです。
外観のインパクトもすごかったですが内部は全く異なるおもむき。さすが東アジア最大規模の病院と言われるだけある。

そして中庭はとても南国チック。

台北医院の中庭

建物の中央には中庭が存在します。台湾は湿気も多い国。亜熱帯気候特有の疫病が蔓延しないように風通しをよくしたとのこと。日本の明治時代以降のいわゆる洋風建築も、木と瓦の組み合わせとは異なりレンガやコンクリート造りで密閉空間となるため、風通しを少しでも良くするために中庭を設けたという。
台北医院の中庭は小さめですが、ベンチとかパラソルとか出したら普通におしゃれな喫茶スポットになりそう。ここが病院の中庭とは思えない!

台北医院の廊下

土曜日は診療受付をしていない科もあることから電気が落とされていて暗めな廊下。写真左側に2階に行く階段があるけれど、勾配が緩やかなところがやっぱり病院らしい。

3階へ続く螺旋階段

この時代によくある急な螺旋階段。建物を正面にして立った時に左側の塔に続くと思われます。左右にあるのではなく、向かって左側だけにありました。残念ながら登ることはできないのだけど、3階部分に上がって外を眺めてみたい。
特別公開してくれないかなぁ。

バルコニーへと続く廊下は電気がついていなくても明るい。広い廊下にはベンチが置いてあり、太陽の光を感じながらの談話スペースにちょうどよいですな。
これまた残念ながらバルコニーには出られないのだけど、ライトアップの設備らしきものがありました。ライトアップされるのなら夜にも見に来てみたいなぁ。

2階は病院とは感じられないほどの暖かみがあったけど、1階は現役病院という感じでした。
そうなのよ。ここは病院なのよ。

同じく近藤十郎が設計した建物が国立台湾大学医学院のキャンパス内に「台湾総督府医学校」の校舎が残っていて「台北大学 人文博物館」として公開されています。そちらは赤レンガの建物とは異なり、日本統治時代の雰囲気のあるルネサンス式。カフェも併設しているそうです。今回は立ち寄れなかったので、ぜひまた台北に来た時に行ってみたい!

旧台北帝国大学付属院(現在:台湾大学医学院附設病院旧館)

竣工:1924年(大正14年)
設計者:近藤十郎

住所:台北市中正区常徳街1号
アクセス:MRT 台大醫院駅から徒歩2分くらい。
台大醫院駅から人通りの多い出口は近代の建物。旧館は台大病院敷地の南側です。

 

ここまで来て12時。そろそろおなかが減る時間だけど、ランチまでもうちょっと建物散策です。

 

t_line2

「台湾グルメとレトロな建物を訪ねる旅」はこちらから

t_line2

初めての台湾旅で役立ちました!


地球の歩き方 台北 2019~2020

グルメやマッサージなど普通の台湾旅行ならるるぶやことりっぷでも十分だけど、建物を巡る旅など自分でテーマを決めて旅するならやっぱり「地球の歩き方」が一番詳しい!今回の旅ではとてもお世話になりました。


台湾に生きている「日本」

今回の「日本統治下の建物」を探す旅は、この本無しでは成り立たなかった!
10年前の本で少し情報は古くなるものの、建物はそこに在り続けるわけで。今回は台北だけだったので、台中、台南にもぜひ行ってみたいです!

t_line2
ぽちっとひと押し。応援お願いします♪

にほんブログ村 旅行ブログへ