阿城のガチョウ肉をたっぷり食べた後は、台北当代芸術館を見学して、若者で人気の繁華街にある西門紅楼を目指します。どちらも赤レンガで作られた日本統治下時代の建築物で、リノベーションされて使われています。
その前に台湾名物のお店に立ち寄ることに。
1.パイナップルケーキなら老舗の李製餅家へ
台湾のお土産として有名な鳳梨酥(パイナップルケーキ)を買うなら老舗の有名店で。
阿城鵝肉から少し歩きますが、松江南京駅と中山駅の中間ぐらいにある「李製餅家」というお店がおすすめです。
黄色い看板が目印。
本家はなんと100年も歴史があるお店で、そこからのれん分けしてもらったという。地元の人や観光客でいつも賑わっています。
ショーケースにはパイナップルケーキ以外にも10種類以上のお饅頭があります。
友達はここぞとばかりに会社用のお土産を買いだめしてました。パイナップルケーキは個別包装されているのでお土産にぴったりですよ。
李製餅家
住所:台北市林森北路156号
Tel:(02)2537-2074
営業時間:10:30~21:30 年中無休
アクセス:中山駅と松江南京駅の中間ほどに位置。林森北路にある路面店。
2.旧台湾総督府技芸訓練所(中山藏藝所)
李製餅家からは地下鉄のアクセスがあまり良くなく、歩いてしまいました。けっこうな距離があるので、レンタサイクルを借りてもよかったなと。次回に行くときは自転車を借りたほうがよさそう。
長安西路という通りを台北駅方面に向かって歩くと古めかしい建物が。日本統治時代の建物っぽいなと何枚か写真を撮っておいたのだけど、後から調べたらやっぱりそうだったようです。
現在は、中山藏藝所という名称ですが、終戦までは「台湾総督府技芸訓練所」で、職業訓練施設だったそうです。
1929年の世界恐慌のあおりを受けて、台湾でも経済は打撃を受けて失業者が急増。台湾総督府がこの施設を開設しました。
写真では写っていませんが、建物の両サイドの上部についている丸い採光窓が特徴です。
(何かイベントをやっていたようで、若者がたくさん集まってて写真が撮れませんでした。)
竣工は1930年(昭和5年)年。今まで見てきた赤レンガ造りの建物は1910~1920年頃にできあがったもので、関東大震災が1923年にあり、日本ではレンガ造りの建物の多くが倒壊したことから、建物づくりのトレンドが赤レンガからコンクリートに変わっていく過渡期だったのかと思われます。
2017年4月からは展示スペースになってて、建物について紹介した展示もあるそうです。喫茶室もあるということなので、今回は時間が無くて立ち寄れなかったけど、休憩で立ち寄ってみたいです。
旧台湾総督府技芸訓練所(現在:中山藏藝所)
竣工:1930年(昭和5年)
設計者:?
住所:台北市台同区長安西路15号
Tel:(02)2522-2486
営業時間:8:30~17:00
アクセス:中山駅から歩いて5分ほど。長安西路沿い
3.旧台北市建成尋常小学校(台北当代芸術館)
同じ長安西路沿いに赤レンガ造りの台北当代芸術館があります。
ここらへんは日本統治時代は淡水線の大正街駅があったそうで、日本人が多く住んでいたエリアだそうです。かつては日本名の地名もあったという。
大通りを車で走っていても気が付く大きな建物。これが小学校だったというから驚き。なんと贅沢な!
現在はモダンアートを展示するスペースとして利用されていて、この日は建物の外にもオブジェが飾られていました。「当代芸術=モダンアート」だそうです。なるほど。
東京帝国大学工学部で辰野金吾の教えを受けた近藤十郎の設計により1919年(大正8年)に小学校が作られました(当初は『台北詔安尋常小学校』だった)。初代の校舎が完成したのは翌々年の1921年で、通りに面した建物だけでした。その後に改築を重ねて1934年(昭和9年)に校舎全体が完成。1940年(昭和15年)にも増築工事が行われたということで、戦時下にしては大きな規模の建物を作ったものです。南方の国々に対し、日本の教育水準や文化水準が高いことを示す、日本の威信を誇る建物だったのかもしれません。
外観からはわかりませんが、震災を考慮して、鉄骨を用いて作られているのが特徴。U字型の建物で真ん中に校庭があり、それを囲むようにぐるっと赤レンガの建物が囲んでいました。
日本本土出身者向けの小学校で、台湾人の子供が入学することは難しく、卒業生はほとんど日本人だったとそうです。相撲場があったり、当時としては珍しいプールがあったりと設備は最新鋭。超エリート学校だったのでしょうね。
現在は通りに面した部分は展示スペース、後方は中学校の校舎として使用されているそうです。こんな素敵な建物で学んでみたい!
設計者の近藤十郎は、台湾総督府官房営繕課技師として日本統治時代の初期に活躍した人物。この日に訪れた台北医院(現在:国立台湾大学病院)、この後に行った西門紅楼も彼の設計によるものです。同じ赤レンガの建物でも趣が全く異なって面白いです!
建物内部はだいぶ改装されているようで、学校っぽい雰囲気が全く残っていなかったのが残念。(黒板とか、理科の実験室とかあったでしょうに。)
アートの展示スペースということで撮影もできなくて二度残念。
でも外観は本当に素敵なので、散策の合間にぜひ撮影してみてください。
旧台北市建成尋常小学校(現在:台北当代芸術館)
竣工:1919年
設計者:近藤十郎
住所:台北市長安西路39号
Tel:(02)2552-3721
営業時間:10:00~18:00
休館日:月曜日、旧正月1日
アクセス:中山駅から徒歩5分
4.西門町市場(現在:西門紅楼)
次の目的地の西門紅楼までは、中山駅から地下鉄に乗って行きました。西門駅までは乗り換えなしで行けます。
近藤十郎設計のクラシカルな建物。素敵すぎる!
辰野金吾の門下生だったということを思いっきり発揮しています。赤レンガを積み重ね、ときどき白い石を帯状に組み込んでいく、まさに「辰野式」です。
西門紅楼は若者や観光客が集まるエリアにあり、ものすごい人が多くて、写真を撮るのも一苦労。これは店が開いていない朝イチに来たほうがいいな。夜は建物がライトアップされてこれまたいい感じなのです。
(夜にも立ち寄ったけど、さらに人が多くて撮影不可!)
かつては公共市場として使用されていた建物で、通称「八角堂」。文字通り八角形の建物だということは知っていたのですが、館内のマップを見たら驚いた。
八角形だけでなく、十字型だった!
近藤十郎、すごいこと考えるなぁ!キリスト教の思想も入っているらしい。
終戦までは台北を代表する市場として使われていて、100店舗も入っていたそうな!
お店の中は撮影を控えましたが、「紅楼選品」というセレクトショップがいい!西門紅楼のかわいいマグネットや台湾総督府など赤レンガの建物のペーパークラフトなど、デザインが優しい感じや淡い色だったりと日本人が好きそうなおしゃれ雑貨が多くて、自分用のお土産を探すなら西門紅楼が絶対的におすすめ!
扱っている雑貨の色彩感覚が日本人ととても似ていて驚きでした。
西門紅楼の内部は1Fはショップのほか、カフェや西門紅楼の歴史の展示エリアなどもあり、建築物好き観光客としても満足。当代芸術館とは異なり、建築当初のイメージを損なわずにリノベーションされていて、建物の使い方がうまいなぁと思いました。
2Fは劇場になっているのですが、劇場の中は見ることができず。残念。
ただ、2階の一角に赤レンガむき出しのところがあります。きれいにショップが並んでいる内部からは赤レンガの壁を見ることはなかなかできないので貴重です。建物好きならチェックすべし!
それにしてもですね。
これ、なんだろう?
こいつは何者だ!?
西門紅楼
竣工:1908年(明治41年)
設計者:近藤十郎
住所:台北市成都路10号
Tel:(02)2311-9380
営業時間: 日~木:11:00~21:30 金~土:11:00~22:00
月曜日休館
アクセス:西門駅 1番出口からすぐ
公式サイト:https://www.redhouse.taipei/info_ja.html
5.台北駅は地下街のフレッシュジュースがうまい!
西門紅楼を後にし、ずっと歩きっぱなしだったのでホテルに一度戻り、休憩して夜は台湾名物の夜市にでかけることに。
泊まっていたシティースイーツ台北 ベイメンホテルの最寄り駅である台北駅に戻ります。台北駅は桃園空港からのバスやMRTも通っていて、バスターミナルもある台北の玄関口。
旅行客が時間をつぶしている広大なスペースもあればショッピングモールもあり、
鳥人間もいる。
斬新だよな。「台北駅 変なオブジェ」でググるとたくさん出てくるほどおなじみ。
しかもこいつ、首からが流れている。めちゃくちゃシュール。
後から調べたら、これは現代アートの作品で、この日訪れた台北当代芸術館にある作品だそうです。
気が付かなかった!
そして台北駅の地下って広くて大きくて東京駅の八重洲地下街みたいです。
台北駅は地下街の規模が大きく、軽食や食事処は朝早くからオープンしている店もありました。家電を売っている店、洋服や雑貨、化粧品などなんでも売ってます。特に多かったのがアニメ系のショップで、バラバラにお店があるのではなく、ジャンルごとに集まっているので買い物もしやすそうです。
パッと見た感じ、東京駅の八重洲地下街と言われても違和感なし!
そして台北駅地下街のジューススタンドがおいしいということで、友達がジュースを買ってました。
台北駅地下街ではあるものの、駅から少し歩く場所にあるため外国人観光客はほとんどいない。台湾に関する情報サイトにはよく出ていますが、日本人にはまだあまり知られていないようです。
注文すると目の前で果物をカットし、ミキサーにかけてくれるのでちょっと時間はかかりますが、作り立てのジュースが飲めるっていい!台湾産スイカのジュースを飲んだ友達は大満足のようでした。
価格は50~70元。日本円にすると150~210円くらい。量が多いうえに安い!
日本語メニューもあるのでカンタンに注文できますよ!
Soft Drink Bar TTI(昇興食品坊)
Tel:(02)2559-2052
営業時間: 11:00~21:30 土日祝:11:00~22:00
年中無休
アクセス:台北駅 Y区地下街 Y19出口のすぐ隣
1日目 夕飯は初めての夜市でいただきます!
饒河街夜市と寧夏夜市を食べ歩き へ続く
台湾グルメとレトロな建物を訪ねる旅 旅行記
- ①朝食は雲呑撈麺と水餃子
- ②ギリシャ建築のような国立台湾博物館
- ③旧台北州庁舎、濟南教会、台北医院 赤レンガの建物を訪ねて
- ④市長官邸藝文沙龍と阿城でガチョウを食べる
- ⑤当代芸術館と西門紅楼 近藤十郎設計の2つの建物
- ⑥饒河街夜市と寧夏夜市を食べ歩き
- ⑦北門に行くなら必見!台北郵便局、国立台湾博物館鉄道部、三井物産北門倉庫
- ⑧台湾グルメ編 青島飯糰のおにぎりと松満樓の小籠包
- ⑨中華と西洋のフュージョン。洋風建築好きなら迪化街に行くべし!
- ⑩迪化街で日本統治下時代の建物を探す
- ⑪秦小姐豆漿で鹹豆漿の朝食を 最後は台湾総督府へ
初めての台湾旅で役立ちました!
グルメやマッサージなど普通の台湾旅行ならるるぶやことりっぷでも十分だけど、建物を巡る旅など自分でテーマを決めて旅するならやっぱり「地球の歩き方」が一番詳しい!今回の旅ではとてもお世話になりました。
今回の「日本統治下の建物」を探す旅は、この本無しでは成り立たなかった!
10年前の本で少し情報は古くなるものの、建物はそこに在り続けるわけで。今回は台北だけだったので、台中、台南にもぜひ行ってみたいです!
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