国立台湾博物館

国立台湾博物館

 

台湾1日目 朝食のあとはさっそく旅のテーマでもある「日本統治下の建物」探訪へ。
龍山寺駅に戻りMRTで西門駅へ。西門駅には西門紅楼というこれまた素敵な建物があるのだけど、まずは二二八公園にある国立台湾博物館を目指します。

台湾には博物館が数多くありますが、日本統治時代の建築物が戦後に博物館になっている場合があります。その中でも国立台湾博物館は戦前戦後を通じて博物館として使われていて、そういうケースは数少ないそうです。

台湾総督府博物館 現在:国立台湾博物館

西門駅を降りると2本の大通りがあり、どちらも二二八公園には行けるのだけど、より博物館に近い北側の通りを歩いて向かいます。公園に着くと日本式庭園の奥にドームが見える!

国立台湾博物館は、建築時は「児玉総督後藤民生長官記念館」として建てられました。博物館名が長いですが、児玉総督後藤民生長官と、日本の軍人2人にちなんだ名前がつけられているのです。

  • 児玉総督
    第四代台湾総督児玉源太郎のこと。児玉源太郎は日露戦争で活躍しました。司馬遼太郎の『坂の上の雲』がNHKでドラマ化されたときに高橋英樹が演じました。その影響でワタシにとっては児玉源太郎=高橋英樹のイメージ。
  • 後藤新平
    児玉源太郎が台湾総督の時代に後藤新平に台湾総督府民政局長(民生長官に後に改名)を任じ、台湾統治に当たらせました。

その後は台湾総督府博物館と呼ばれていました。台湾の原住民の資料や台湾の動植物の標本や剥製などから衣食住に関する調査展示まで様々なものが展示されています。

まずは西門駅から二二八公園へ向かいます。

台北の街並み

台北の街並み

おぉぉ。日本の戦前のドラマで「満州」としてよく見るような建物がいっぱい!一つとして同じデザインが無い!
都市計画として整備された場所なら画一的な建物が並んでも良いものなのに、3~5階建ての様々な建物が並びます。とある一画だけではなくあちこちでこういった建物が見られて建築物スキーとしては幸せです。

二八公園に着くと青いドームと白亜の建物が遠目にでもわかりました。それを目指して歩くと正面入口の前に機関車が。

ガラスの覆いで囲まれた2台の機関車。台湾だけでなく、日本の鉄道史においても価値の高い車両なんだそうです。
左側がドイツからやってきた「騰雲号」右側が日本最古の九号機関車
騰雲号は1887年にドイツから輸入されたそうです、台湾を最初に走った蒸気機関車だということから「第一号機関車」と呼ばれました。
九号機関車日本を最初に走ったイギリス製の蒸気機関車で、日本から運び込まれたそうな。これまた台湾に生きている「日本」によると、1872(明治5)年9月の新橋ー横浜間の鉄道開業時にこの線を走った10両のうちの1両!というのだから、とんでもなく古いということだがわかる。鉄道マニアにとってはお宝な車両がまさかこんなところにあるとは。その道の人たちにとっては必見でなのです。

そして国立台湾博物館の正面に立ってみると・・・

国立台湾博物館

国立台湾博物館

ババーン!
ここだけギリシャ!?いや、ギリシャ建築物ってドームはあったっけ???
と、よくわからない建築様式の建物が現れる。ドームさえなければギリシャ建築?そう。日本人が建てたこういうよくわからない建物が面白くてよいのです。

エントランスの彫刻がすごい!

エントランスの彫刻がすごい!

ギリシャ式の列柱と彫刻が施された三角形のペディメント、さらに青い大きなドーム。
主要部にはイタリア三の大理石が使われたという。(どうやって持ってきたんだ!?)

現在、台湾は世界的な大理石の産地となっているが、この建物に限っては台湾産が用いられていない。鉄道ホテルと同様、こういった舶来へのこだわりもまた、贅沢を極めた建築ならではのエピソードである。

台湾に生きている「日本」より

ワタシの大好きな擬洋風建築も明治初期に西洋化を急激に進めるにあたり、西洋化の象徴として建てられていったということだけど、この時代の軍部も同じような考えを持っていたのかもしれません。

近くで見てみたい

近くで見てみたい

ペディメント(日本の城でいう「破風」ね。)の装飾がこれまたすごい。でも西洋の建築とはちょっとデザインが違うような気がするの。不思議。

ライオンの彫刻

ライオンの彫刻

エントランスのドアにはライオンが。ゴージャス。ここからは入ることはできません。
入ってみると、チケット売り場があり、日本語のパンフレットがおいてありました。そして奥へ進むと

天井が美しい!

天井が美しい!

中央ロビーの上のステンドグラスが美しい!この日はロビーで演奏会が行われていて、ステンドグラスの真下から撮影することはできなかったのだけど、真下から入ったとしてカメラに入りきらない!
このステンドグラスのデザインには児玉家の家紋である軍配団扇(ぐんばいうちわ)と後藤家の家紋である藤を組み合わせた図案だそうです。帰ってきて調べてみたところ、確かに児玉家の家紋は軍配団扇でステンドグラスのデザインはその通りでした。後藤家の家紋の藤はちょっとわからなかったなぁ。

コンサート中でした

コンサート中でした

吹き抜けの中央エントランス。至るところまでとにかく装飾が素敵すぎる!

イオニア式?柱の装飾も美しい

イオニア式?柱の装飾も美しい

柱、天井のステンドグラス。写真ですごさが伝わるでしょうか?

建物の中は意外とシンプル。1階の通路は特にそう。2階への階段はとても明るい。

博物館として見せ方が凝ってるなぁと思ったのは、中央ドーム吹き抜けの2階部分の手すりのところ。ガラスの部分に台湾博物館の意匠や装飾いについて描かれている。ちょっとした建築ガイドになってるんです。あぁ。繁体字が読めないのが残念過ぎる。

2階にはこんな模型もありました。この円形の建物の模型は、かつて存在した家畜市場なんだそうです。左側の階段状になっているところにセリの参加者が座り、それ以外は家畜を外から中に入れて、中央で競馬のパドックのように入ってくる。その骨組みはまるでローマのコロッセオのよう。

児玉源太郎と後藤新平ってどんな人?

そしてここで登場。児玉源太郎と後藤新平の像です。

後藤新平、児玉源太郎の像

後藤新平、児玉源太郎の像

左:後藤新平 右:児玉源太郎の像
台湾の人が新日家であるのは、日本統治時代にインフラが整備されたり、その後の台湾の発展の基礎が培われたからというが、とはいえ当時の台湾人からの反発があるところで大日本帝国の政府が統治していたというわけで。そこに反感を持つ人もいたのでは?と思うけど、国立台湾博物館内に今でも児玉源太郎と後藤新平の像が立っていることを考えると、この2人の功績はすごかったんだろうなと思う。また、彼らには日露戦争前後のイケイケ時代の余裕もあったからなのかもしれない。終戦間近の帝国陸軍がいきなり統治を始めたら、どんなことになっていたやら・・・。

台湾に生きている「日本」によると、2人の像はかつてはホールの左右に向かい合うように立ち、終戦後の混乱期には博物館の収蔵庫に保管されていたそうです。戦時中の金属供出からも逃れ、なおかつ戦後も国民党政府による破壊から免れた極めて珍しいケースとのこと。そうだよね。台湾の偉人ではなく日本の軍人。いつ壊されてもおかしくない状況だったのに。
そして現在は博物館で展示品として飾られている。台湾の人からの日本への感謝と敬愛っぷりがよくわかる展示品でした。

 

そしてほかにはこんな展示も。

山形県の文翔館もそうだったのですが、基本的には「博物館」なわけで、展示準備中の部屋は入ることができません。でも、建築物スキーとしては、準備中で入れなかった部屋にも入ってみたかったなぁ。

写真は撮影しなかったけれどミュージアムショップも充実していました。台湾全般のミュージアムショップに言えることですが、デザインやテイストは日本人好みで色合いがかわいらしいグッズが多いです。ミュージアムショップだけでもじっくり見ると20分くらい必要かな。
写真を撮りながらなのでかなりゆっくり目にまわってましたがそれでも一通り見るのに1時間くらいかかりました。思っていたほど大きな建物ではなかったので、ざっと見てミュージアムショップに立ち寄るでも1時間あれば十分にまわれます。

icon_airplane_mini 国立台湾博物館 まとめ

もちろん台湾についての紹介の内容が多いのですが、台湾の衣食住や民俗学を研究した日本人の学者の功績について展示されていたりと、日本と台湾の結びつきの深さを教えてくれる博物館でした。だからこそ、日本語表記の解説が無いのがとても残念。漢字と英語でわかるといえばわかるんだけど、日本と関係のある展示だけでも日本語の解説文章がほしいなぁ。(日本語解説のオーディオシステムはレンタルすることができるようです。)

台湾総督府博物館 (現在:国立台湾博物館)
竣工:1915年
設計者:野村一郎

住所:台北市襄陽路2號
Tel:9:30~17:00(入場は16:30まで)
定休日:月(祝日の場合は翌日)、旧正月
入場料:30元(65歳以上は無料)
アクセス:MRT  台大医院駅から徒歩3分くらい 二二八公園内 大きな建物なのですぐわかります。

台湾大学病院へ続く

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「台湾グルメとレトロな建物を訪ねる旅」はこちらから

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初めての台湾旅で役立ちました!


地球の歩き方 台北 2019~2020

グルメやマッサージなど普通の台湾旅行ならるるぶやことりっぷでも十分だけど、建物を巡る旅など自分でテーマを決めて旅するならやっぱり「地球の歩き方」が一番詳しい!今回の旅ではとてもお世話になりました。


台湾に生きている「日本」

今回の「日本統治下の建物」を探す旅は、この本無しでは成り立たなかった!
10年前の本で少し情報は古くなるものの、建物はそこに在り続けるわけで。今回は台北だけだったので、台中、台南にもぜひ行ってみたいです!

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