台湾グルメとレトロな建物の旅⑦ 北門に行くなら必見!台北郵便局、国立台湾博物館鉄道部、三井物産北門倉庫

北門のライトアップ
北門のライトアップ

台北の夜は長い。あちこちにあるモスバーガーもコンビニも24時間営業。深夜便の到着に合わせてホテルのフロントにも遅くまでスタッフがいる。

そしてライトアップ。
特に美しいのが北門のライトアップなんです。写真の奥にある台北北門郵便局もきれい。夜、何度も北門を通って帰っていました。北門周辺にある建築物を紹介します。

1.旧台北郵便局

台北駅近くにあるランドマークとなっている北門。そのすぐそばにある台北郵便局は、日本統治時代に台湾で初めて建てられた郵便局です。

台北府城北門と台北北門郵便局
台北 北門郵便局と台北府城北門

台北府城北門と台北 北門郵便局。どちらも絵になる建物だ。

台北北門郵便局
台北北門郵便局

堂々とした郵便局です。ものすごい既視感が。

東京駅の丸の内口にある東京中央郵便局にそっくりではないか!

東京中央郵便局
東京中央郵便局

画像はWikipediaから引用

絵葉書資料館 東京中央郵便局
かつての東京中央郵便局の絵がこちらから見られます。

台北郵便局の現在の建物が作られたのが昭和5年(1930年)。東京中央郵便局が鉄筋コンクリートで建てられたのが1933年(昭和8年)なので、ほぼ同じ時に建てられているんです。

台北郵便局を設計したのは栗山俊一で、台湾総督府技師でした。

台北北門郵便局
台北北門郵便局

日本統治時代は3階建てでしたが戦後に4階が増築。外から眺めても、4階は窓の装飾がシンプルで、ガラスの質感も異なっているので増築されたことがよくわかります。

郵便局として現役で営業しているので中には入らなかったけれど、内部は天井が格天井のようになっているらしい。
記念切手が売っていたり、両替でも利用できるということなので、行っておけばよかったな。
この建物の後ろには駐車場や仕分け場があって、ここに高層ビルを建てて商業ビルやオフィスになるそうです。いずれ、郵便をテーマとした博物館もできるそうで、それなら観光客でも気軽に入れるから嬉しい。

これらの計画は、東京中央郵便局を再開発したJPタワー事業がモデルになっているとのこと。東京のほうは直前に前の建物を残すことが決まり、中途半端な建物になったけど、古い建物をちゃんと活かそうとしている台湾では、この古いスクラッチタイルの風合いを残してほしいなぁと思います。

台北郵便局

竣工:1930年
設計者:栗山俊一

住所:台北市中正区忠孝西路1段114号
Tel:(02)23615752
営業時間:
月~金:8:30~21:00、土:9:00~12:00

 日曜休み

 

2.台北府城 北門

台北府城北門
台北府城北門

日本統治の建物ではないですが、台湾総督府によって城壁が壊された(良くいえば、門が残された)という経緯もあるので少しふれます。

現在、台北府城の名残があるのはこの北門(承恩門)のほか、南門(麗正門)小南門(重熙門)東門(景福(照正)門)西門(宝成門)のみ。東西1km、南北1.3kmの長方形の区画にこれらの門が配置されていました。

台北府城北門 ぎっしりと詰まった石
台北府城北門 ぎっしりと詰まった石

台北府城の築城の歴史ですが、台北府城は台湾唯一の石造りの城で、風水をもとに築城されました。
1874年(明治7年)に明治政府が行った台湾出兵後の事後処理により、それまで日本の支配か清国の支配かがあいまいだった琉球が日本の帰属ということが国際的に承認されたこともあり、日本が台湾へ侵攻することに危機感を抱いた清国は台湾を中国防衛前線と位置づけ、台北府城が作られ、明治17年(1884年)に完成。
間に清仏戦争や日清戦争を挟み、日清戦争後に清から台湾を割譲され、台湾総督府を出先機関として配置し、台湾を統治しました。

明治34年(1901年)には台北城のすべての城門が取り壊される予定でしたが、住民感情を考慮して台湾総督府により計画の一部は変更。北門、東門、南門、小南門の4つの門が保存されることになりました。

残された5つの門
残された5つの門

北門以外はのちに形が変わっていますが、北門は唯一、当時の姿と変わりません。

かつての北門(承恩門)
かつての北門(承恩門)

台北駅の地下街には北門の資料が展示されていて、城壁があったころの北門や城壁の様子がわかります。
城壁は5mもあったらしい。

北門(承恩門)
北門(承恩門)

おぉ。馬出しのようだ。

北門(承恩門)
北門(承恩門)

北門は二層構造になっているのですが、この模型を見るとよくわかります。

このほかにも様々な展示があるのですが、言葉がわからない自分が悔しい。ミニ博物館のようになっていて面白かったです。

北門のライトアップ
北門のライトアップ

Google mapの「航空写真」で見ると、北門の横から当時の城壁跡がわかるようになっています。高速道路の高架道路を撤去したりと周辺の整備も進んでいます。今後も残していってもらいたいです。

北門は広場として整備されているので、写真がとても撮りやすい。ライトアップは本当にきれいなので、ぜひ夜にも訪れてみてください。

台北府城 北門

住所:台北市中正区忠孝西路1段
営業時間:24時間
広場にあるのでいつでも見に行けます。

 

3.旧台湾総督府交通局 鉄道部

北門の向かいには素敵な洋風建築があり、気になっていました。

国立台湾博物館 鉄道部
国立台湾博物館 鉄道部

こういうホテルとかあったら泊まりたいなぁと近くまで行ってみて、何のための建物なのかわかりました。
かつては台湾の全鉄道を管理していた台湾総督府交通局鉄道部として使用されていました。ワタシが行った2018年12月には、国立台湾博物館の博物館となるべくリニューアル工事をしているところでした。
コロナもありましたが無事に国立台湾博物館鉄道部として2020年7月7日にオープン。

交差点に対して沿ってL字型に建物が立っているのですが、まわりに背の高い建物が無く、とてもフォトジェニック。

竣工したのは1919年(大正8年)で、他のレンガ造りの建物と異なって屋敷みたい。
1階がレンガ造り、2階は木造というハーフティンバー構造で、サシ色になっている緑がとてもおしゃれ。

設計者は森山松之助とされている。森山は台湾の官庁建築の多くに携わりました。
森山松之助については↓こちらでふれています。

そしてまた、この建物もライトアップがきれいなんです。

夜の台湾博物館 鉄道部
夜の台湾博物館 鉄道部

北門の道路を挟んだ向かい側なので、こちらもぜひ撮影してください!

台湾博物館 鉄道部
台湾博物館 鉄道部

柵の隙間からがんばって建物の裏を撮影。

台湾総督府交通局鉄道部は敷地が広くて道路伊面した建物だけでなく、食堂、工作室、防空壕を利用した戦時作戦指揮センター、電源室、工員宿舎や資材置き場などがありました。特に珍しいのが八角楼と言われた男子トイレ。中央の柱に8つの便器が並んでいたという不思議な作りです。それも公開されているというので見てみたい。
トイレや台所、そして風呂って大事よ~。水まわりは当時の生活習慣が一番わかる場所。これ、私の持論です。

国立台湾博物館 鉄道部(旧台湾総督府交通局 鉄道部)

竣工:1919年
設計者:森山松之助

住所:台北市大同区延平北路一段2号
電話:(02)2558-9790
アクセス:北門駅から歩いてすぐ

 

最後にもう1か所。気になった建物を撮影したらこれも日本統治時代の建物でした。

 

4.旧三井物産株式会社 北門倉庫

旧三井物産株式会社倉庫
旧三井物産株式会社倉庫

北門から台北駅に出ようと歩いていた時に対岸に見つけたレンガ造りの素敵な建物。屋号のようなマークが正面にあります。これが三井物産の商号だったんですね!日本統治時代は、鉄道輸送の荷物を保管する倉庫として使われていたそうです。

デザインは古そうだけど、とてもきれいだったので、戦後にそれらしく作られたのか、日本統治時代のものなのか判別がつかなかったのだけど、やっぱり日本統治時代の建物だったのか!
奇跡的に戦時中の空爆を免れ、荒れ果てていたところを台北市が修復工事を施してくれたそうです。
この時は2階の窓が閉まっていたけど、窓が開いた写真を見たらとてもかわいかった

2018年11月にリニューアルオープンし、台北の歴史を展示するスペースになっているということでした。ワタシが行ったのは2018年12月なので、リニューアル直後だったのか!行ってみればよかったな。

そしてさらに仕入れた情報では、2020年7月に(最近だ!)レストランとカフェも併設されたそうです。
商業施設として生まれ変わった三井物産 北門倉庫の名前は「台北記憶倉庫」。素敵なネーミングです。

台北記憶倉庫(旧三井物産株式会社 北門倉庫)

住所:台北市忠孝西路一段265號
Tel:(02)2371-4597
営業時間:火~日:13:00~21:00 月曜定休
アクセス:北門からすぐ 北門駅からは徒歩5分

 

台湾グルメ 朝食・昼食編に続く
青島飯糰のおにぎりと松満樓の小籠包

 

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台湾グルメとレトロな建物を訪ねる 旅行記

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初めての台湾旅行で役立ちました!


地球の歩き方 台北 2019~2020

グルメやマッサージなど普通の台湾旅行なら「るるぶ」や「ことりっぷ」でも十分だけど、建物を巡る旅など自分でテーマを決めて旅するならやっぱり「地球の歩き方」が一番詳しい!今回の旅ではとてもお世話になりました。


台湾に生きている「日本」

今回の「日本統治下の建物」を探す旅は、この本無しでは成り立たなかった!
10年前の本で少し情報は古くなるものの、建物はそこに在り続けるわけで。今回は台北だけだったので、台中、台南にもぜひ行ってみたいです!

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