東華菜館① 憧れのヴォーリズ建築で中華ランチ

エレベーターで一気に5階まであがり、上の階から見学をしていきます。あの、塔屋が間近で見える屋上にも上がらせてもらいました。

5階

5階にあるのは大宴会場。シンプルな内装です。

東華菜館 5階 大宴会場
5階の大宴会場はシンプルな内装

5階の部屋は鴨川に面している部分が引っ込んでいて、鴨川側はテラスになっている。

東華菜館 5階 テラス席
見晴らしの良いテラス席

鴨川に面した左側に南座が見える!
この日はとても暑い日だったけど、新緑の5月頃にぴったりなテラス席。コース料理をいただきながらビールで乾杯したい!

 

ソーダファウンテン

5階のエレベーター横にはかつてソーダファウンテンがあったエリアが。

東華菜館 5階 大宴会場
かつてソーダファウンテンがあったエリア

ソーダファウンテンとは、炭酸水を注ぐサーバーのこと。欧米ではカウンターに座って軽食を取りながらお酒を飲むためにこのような設備が作られました。戦前のビア・ホールだった時代には子供向けにはアイスクリームやソーダを出していたというから、ここで作られて提供されたのかもしれませんね。

余談ですが・・・
東京の銀座の資生堂パーラーは、1902年に資生堂薬局内にソーダファウンテンが作られたことから始まりました。現在の資生堂パーラーはショップ、カフェ、レストランの複合ビルになっていて、カフェでは季節ごとのフルーツを使ったパフェがおいしいのですが、レストランでは「ミートクロケット」など昭和初期からの伝統的なメニューが食べられるので、おすすめです。
東華菜館 ソーダファウンテンの裕加
五角形が組み合わされるて六角形になっている!

ソーダファウンテンの床のタイルも凝りに凝っていて、五角形のタイルが組み合わされて六角形が作られている。
ガイドさんの案内によると、写真の手前の木の床は、タイルの上に作られているんじゃないか?とのこと。
タイルは痛むだけでなく、はがれるからなぁ。お客様のヒールなどで傷つけられることを考えると、さもありなん。

 


そして忘れてはいけない。トイレ。
水廻りは当時の建築テクニック使用していた人間像を想像させてくれる。

東華菜館 トイレ
レトロなトイレへのガラスドア

中には入らなかったけど、ガラスドアに書かれている「紳士用」「夫人用」の表現は現代では使われることもなくなったが、男性用が「MEN」ではなく「GENTLEMEN」という表現なのもレトロでいい!高級レストランであるならば「紳士用」「婦人用」の表現は残してもらいたいものです。

 

東華菜館 5階

5階はシンプルといっても凝るところは凝っている。窓枠の模様から見える景色がまるでフォトフレームに入れたみたい。
窓枠フォトフレーにはこれまたレトロ建築な「レストラン菊水」を入れてみました。

5階にはソーダファウンテンの並びに「TELEPHONE」とドアのガラスに書かれた電話室もあり、今は物置になっているようですが、それでも当時の面影があります。用途はもはや異なるのに、それでもこのドアガラスを残してくれるとは。
この建物への愛情をひしひしと感じました。


次は屋上。エレベーターは5階まで。フロア内の階段も5階まで。5階のテラスにいったん出て、屋上への外階段を目指します。

 

屋上へ

屋上へは5階のテラスから階段を登ります。

東華菜館 屋上への階段
5階テラスから屋上への階段を上がる

階段をあがると正面に塔屋が。間近で見ると装飾の細かさがよくわかる。

東華菜館 屋上の塔屋
こんな間近で塔が見られるなんて

 

東華菜館は装飾もごちそう。景色もごちそうなんです!

屋上からの景色もこれまた格別!

東華菜館 屋上
フィニアルは果物+擬宝珠?

屋根などの先端部分につけるフィニアル果物が刻まれている。さらに上には擬宝珠???
この建物を建てた頃はまだ周りに背が高い建物が少なかっただろうし、まわりの寺社仏閣や橋の擬宝珠などをモチーフに作られたのだろうか?

東華菜館 屋上
レストラン菊水と南座

夏になるとビアガーデンになる屋上。
東華菜館はめちゃくちゃ良い立地にあって、すぐ横に流れる鴨川は盆地で暑い京都でも涼しく感じさせる。目の前には大正5年創業で老舗の洋食屋のレストラン菊水、さらに南座。建築当時はハイカラ、現代ではレトロな建物を見ながらビールが飲める。最高 of 最高!

東華菜館 屋上からの眺め
鴨川の南側を眺める

鴨川の南側、歩いてきた方向を眺める。
おっ!?あれはもしかして!?

東華菜館 屋上からの眺め
伏見桃山キャッスルが見えた!

写真の中央。山の稜線上にぽこっと顔を出しているのは伏見桃山キャッスルではないか!
伏見城跡、まだ行ったことがないんだよな。京都からだと最寄り駅からどうしても10分以上歩くことになるので、真夏のこの季節ではなく、涼しくなったら行きたい。
待ってろ、伏見城~!


東華菜館の屋上の話に戻ります。
塔屋の上の黒くなっている窓のような部分。写真ではわかりにくいけど、ライトが付いていました。このライトをつけるには、はしごを掛けて登るしか方法がないそうです。

 

東華菜館 屋上 塔屋
内部は貯水槽とエレベーター制御室

塔屋の中はエレベーターの制御をする機械と高架水槽があるそうな。本来ならばそれらを収納するシンプルな建物を建てればよいだけなのだが、だったらこの建物のシンボルになる塔屋を作ってしまえ。逆転の発想ですね。
5階を引っ込ませ、屋上に塔屋を載せることにより、上に向かって段々と階段状になる。ただの四角いビルとは違う「魅せる」建物になりました。

さらに上を見て見ると、頭の部分が濃い茶色と黄土色でこれまたカラフル。

東華菜館 屋上の尖塔
頭の部分にはタイルが貼られている

5階は屋上にモザイクタイルが敷かれているんだけど、わざわざ屋上にタイルを敷くなんて贅沢な。建築当初は1階に佐敷席があったので、ビアガーデンにするならそれで間に合っていて、屋上までタイルを貼る必要性は無い。
それなのに床にタイルを敷き詰める。床でできるなら、屋根でもできるだろうと塔屋の屋根にもモザイクタイルを使っちゃう。劣化はあるものの、結果として色褪せないで残っている。そこまで計算されていたのならさすが。
屋上の床や塔屋の屋根にモザイクタイルが使われているのは珍しいそうです。

塔屋の反対側には煙突が。塔屋と煙突を備えるのはバロック式の特徴です。

東華菜館 屋上
煙突と建物

塔屋の反対側には煙突と建物がある。この建物の当初の用途は確認するのを忘れたのだけど、各フロアの図面を見るとこの位置には5階からつながる階段があるみたいなので、裏口導線なのかもしれない。

東華菜館 屋上扉の中には入れなかったけど、その前にはビアガーデンの時に使われるであろうビアサーバーらしきものがありました。

このドアの上にもまた装飾が!

東華菜館 屋上
果物のレリーフ

煤けている??? レリーフにはたくさんの果物。屋上にも手を抜かない!

最後に一枚。

東華菜館 屋上
塔屋と建物

この建物も良く見ると青のアクセントカラーが効いていておしゃれ。

青い瓦屋根だよ!

お客様の目に留まることが無いはずで、普通の瓦でよいのにあえて青い瓦を使う。青い瓦を使っているのはここだけなんじゃないかな。なんて凝り性なんだ!

1階と5階、屋上だけでも感動ポイントは多かったのに、これはまだほんの一部だったのです・・・。

>> 2階~4階の見学。そして格式の高い宴会場でのランチ編へ続く

 

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東華菜館 塔
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