東京を楽しむ② 山の上ホテル① 昭和の懐かしいオムライス

2020年9月。憧れのクラシックホテル「山の上ホテル」へ。
ヴォーリズ建築事務所が昭和12年(1937年)に手掛けた作品。アール・デコを取り入れたギザギザの山のような建物が象徴的で、明治大学など大学の建物が並ぶ中でこのホテルの周りだけが時間が止まったようです。

お茶の水駅から明治大学を目指して歩くと右側に近江兄弟社ビルがあります。ヴォーリズさんがいるではないか!

近江兄弟社ビル ヴォーリズの説明版
近江兄弟社ビル ヴォーリズの説明版

ウィリアム・メレル・ヴォーリズは1880年生まれのアメリカ人で、1905年に近江八幡にキリスト教伝道のために来日。布教の資金活動として「ヴォーリズ合名会社」を立ち上げ、それがのちの近江兄弟社の前身となっています。メンソレータムの日本における販売権を得て販売していたので、昭和世代には「近江兄弟社=メンソレータム」とお馴染みですね。

ヴォーリズは若い頃は建築士を目指していましたが経済的な理由で断念。キリスト教伝道を目的に来日して英語教師として働いていましたが、頼まれて洋風建築を設計しているうちにそちらのほうが本業となり、いまでも数多くの洋風建築が日本に残っています。
日本滞在中に一柳子爵の娘である満喜子と結婚。太平洋戦争中に日本に帰化し、国民服を着た写真が残っているほど日本と縁の深い人物です。
明治から戦後にかけてはちょっとしたキーマンで、NHKの朝ドラ「あさが来た」にも一瞬出てきました。主人公のモデルとなった広岡浅子が大反対されたヴォーリズと一柳満喜子の国際結婚を後押ししたというエピソードも有名です。

 

山の上ホテル
山の上ホテル

使う人を考えた暖かみのある家や学校、教会などを数多く残していて、調度品やデザインも素朴だけどおしゃれ。そんなヴォーリズ作品が大好きでここ数年はヴォーリズ作品をまわることがライフワークなワタシ。

山の上ホテルの前身は佐藤新興生活館という社会事業のために建てられた建物で、戦後に米軍に接収され、返還後の昭和29年(1954年)に山の上ホテルという名称で開業しました。
設計はヴォーリズ建築事務所の松ノ井覚治によると考えられていて、アール・デコ調を取り入れつつ、ヴォーリズ・イズムを継承した素敵な建物です。長い歴史の中で何度か改修されていましたが、2019年に建築当時のレトロモダンな内装やデザインを復元されています。

コーヒーパーラー ヒルトップ

戦後には米軍に接収され、陸軍の女性部隊の宿泊施設になっていました。返還されたのち、ホテルとして第二のスタートを切るのですが、この女性の方々がこの建物を「ヒルトップ」という愛称で呼んでいたことにより「山の上ホテル」と名付けられています。
米軍が駐在していた時の写真を見ると正面から建物を見た時に「Hilltop HOTEL」と、まるでファミレスのようなポップな看板が掛けられていていました。
元々がホテルとして作られていないので、山の上ホテルのお部屋はすべて異なっているんですね。

その名にちなんだカフェが今回の目的地。「カフェ」ではなくて「パーラー」よ!昔からの呼び方が今も続いていて、これまたレトロでいい!

コーヒーパーラー ヒルトップ
コーヒーパーラー ヒルトップ

コーヒーパーラーは地下1階なのだけど、坂道を下ったところにあり、半地下になっているので明るい。
本来はホテルの正面ロビーからではなく、この横の入口からも入れるのですが、コロナのため閉鎖されていました。この門を入って右にカフェがあります。
入口の階段が斜めになっている!!!

 

入口の門を飾るこの鹿のマークは、山の上ホテルのグッズのモチーフにもなっています。

カフェ側から見たところ。よく見るとこの門、下から入れちゃうのね。
現在は門をくぐるとガラス扉があるのだけど、建築当初はどうだったんだろう? 気になる。

コーヒーパーラー エントランスのタイル
コーヒーパーラー エントランスのタイル

門から入ってくるとこのタイル張りの床がお出迎えしてくれます。

 

山の上ホテル 地下1階のタイル
地下1階のタイル

写真はホテル正面から階段を下って地下1階に来た時にであるタイルモザイクの床。上を歩くのが申し訳ないのでそろりそろりと歩く。

コーヒーパーラーヒルトップではオムライスやサンドイッチなどの軽食、ケーキやデザートがいただけます。

コーヒーパーラー ヒルトップ
コーヒーパーラー ヒルトップ

お店の中はすごくシンプルなんだけど、よく見るとライトの装飾が凝っていておしゃれだったり、年齢層も比較的高めで静かな落ち着けるスペースです。

ヒルトップ コースター
ヒルトップ コースターがかわいい

 

固めの卵が魅力! 昭和の懐かしいオムライス

この日はオムライスをいただくことに。
オムライスのソースはデミグラスソースと特製トマトソースと選べるんだけど、流行りの「ふわとろ」ではなく、昭和の「固めの卵」のオムライスなのでトマトソースを選びました。

オムライス
特製トマトソースのオムライス

横に長いオムライスが登場!大きい!思わず「大きい!」と声に出してしまった。
ふわとろオムライスしかしらない若い子にはびっくりだろうな。卵焼きに包まれている感じのオムライスは懐かしい味がしました。
この1年後の2021年8月に山の上ホテルに泊まり、翌日の昼はこちらでデミグラスソースのオムライスを食べよう!と考えていたのだけど、朝食でおなかいっぱいになってしまって断念。

オムライス ¥1,980

 


 

そしてデザートは山の上ホテル名物のこの一品。

バニラが香る「伝統のババロア」

伝統のババロア
伝統のババロア

山の上ホテルの名物「伝統のババロア」!
バニラがふんわりと香る、なめらかなババロアです。もちろん美味しい。しつこくない甘さでずっと食べていられる。たまらん
ババロアを囲んでいるバニラのソースも本当においしかった!

伝統のババロア ¥1,210

 

復刻したプリンアラモード「山の上デザート」もとっても魅力的だったんだけど、オムライスをいただいたあとは入らなそうだったので断念。
白鳥のシューがのっているプリンアラモード。次はデザートメインで行こうっと。

 


山の上ホテルは小さなプチホテルだけどサービスは一流。
コーヒーパーラー ヒルトップのスタッフさんもみな笑顔が素敵で、一流ホテルは、斯くあるべしと思ったよ。
東京ステーションホテルもそうだけど、一流のサービスを提供するところはスタッフの皆さんの笑顔がとても素敵。
おいしくいただけで、サービスに満足するポイントはいろいろあるけれど、最後の決め手はやっぱり笑顔だよな。と感じたランチタイムでした。

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山の上ホテル

  • 竣工:昭和12年(1937年)
  • 設計者:松ノ井覚治(ヴォーリズ設計事務所)
  • 住所:東京都千代田区神田駿河台1-1
  • アクセス:JR御茶ノ水駅 徒歩5分。明治大学リバティタワーの手前を右に入り、坂を上るとすぐ。

 

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わずか35室しかない小さなクラシックホテル。アール・デコの意匠がおしゃれでレトロモダンなホテルが好きな人におすすめです!

 

山の上ホテル
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