萩の城下町散策を終え、そろそろ萩城へ行こうと停めていた自転車で向かおうとしたら「高杉晋作」「伊藤博文」という文字が飛び込んできた。
高杉晋作と伊藤博文が幼い頃に学んだという円政寺。おぉ。話には聞いていたが、こんなに近いところにあったんだ!
素通りしようかと思ったんだけど、拝観料200円で萩城下町のマップがもらえるということで、それに釣られた。
意外や意外。小さなお寺だったけれど、みどころがたくさんでした。
境内の中はあちこちに案内板があって、 萩の歴史や維新の志士達の説明があり、歴史がよくわからないという人にもわかりやすく見どころが書いてありました。
特に、萩の方言についての説明が面白かった。
「かばち」→「おしゃべり」
「しろーしい」→「うるさい」
全然わからんわ!
伊藤博文は農家の出身で、生家は東萩駅の近くにあるのだけど、それがなぜこの萩城下町のお寺で学んだのか?と思ったらちゃんと解説がありました。
伊藤博文公の母、琴子と当時の住職、恵運が従兄弟であり、伊藤博文公9歳~11歳の間 この寺に預けられ、お手伝い、読み書き教育された寺 円政寺です。
そうか。親戚のところに預けられたのね。
勉強をするだけでなく、「行儀見習い」といったところでしょうか。
9歳~11歳なんて、一番やんちゃな時に預けられて、境内を走りまわっている様子が目に浮かぶようだ。
そしてこの円政寺は珍しいことに神仏習合で、入って正面がお寺、右が神社なのです。
たいていの神仏習合の寺社は明治時代になって神仏分離令が出て、仏教と神道は切り離されたわけで。
こちらはお寺。
こちらは神社。
案内板によると、円政寺の正面に建つ本堂の左側にある黄色の菖蒲。
その先に2015年の大河ドラマ「花燃ゆ」の主人公である杉文(すぎ 文)がのちに結婚することになる楫取素彦(かとりもとひこ)と一緒に住んでいたお宅があったそうな。
この城下町、有名人でいっぱいじゃないか!
神社の方に向かうと目に入るのがこの馬小屋。
1820年に奉納されたもので、高杉晋作や伊藤博文が遊んだとされる神馬の木馬だそうな。
1820年。明治元年が1868年だから明治になる約40年前か!
高杉晋作や伊藤博文が子どものころにここに来て鼻をなぜていたという話が伝わっています。
足元の桶に書いてあったのだけど、午年の人はこの神馬が守ってくれるそうです。
境内の案内板を見てて思ったのだ。ここの住職さんはウイットに富んでるな。
ところどころ、面白い案内があるのです。
金毘羅さんの拝殿に掲げてある大天狗の面。
この面にはふたつのお話が残っています。
・高杉晋作は小さい頃は病弱で母親の道(みち)がこの金毘羅社で健康を祈願し、拝殿の大天狗で勇気づけた。
・高杉晋作はこの天狗の面を見に来て仲間と度胸試しをした。
この大天狗のお面は子どもたちにとっては恐ろしいもの。しかし、高杉晋作は近づいて行くことができたといいます。
でもこの大天狗のお面はどちらかというとユーモラスで、写真の奥に見える小さな真っ赤な天狗のお面のほうが怖い顔をしてるなぁと思いました。
●円政寺
住所: 萩市南古萩町6
Tel: 0838-22-3031
営業時間: 8:00~17:00 無休
拝観料: ¥200
ちょっとした寄り道のつもりだったら意外と面白かった円政寺。
萩城下町を楽しんだ後は、萩城へ向かいます。
萩城の後は松陰神社に行く予定だけど、日暮れまでに間に合うのか!?
<北の総門編へ続く>
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