旧田中家住宅 ④和洋折衷を体感するなら和室を見よう!

数寄屋風書院造りの和室と五月人形
数寄屋風書院造りの和室と五月人形

旧田中家住宅 2階の散策の続きです。
洋風の書斎から廊下に出ず、続くドアを開けるとそこは和の世界が広がっていました

2階 和室も共存している洋館です

主人が使っていた洋風の書斎をあとにします。

2階の書斎をあとにする
2階の書斎をあとにする

2階の書斎から続くドアを開けると、大きな鏡が。当時からあったのでしょうか。

そして正面に広がるのは、

ドアを開けたら畳張りの廊下???
ドアを開けたら畳張りの廊下???

畳張りの「和」の世界だった!

これは廊下なのでしょうか???

この真上はちょうど大広間にあたります。そう。ちょうど控えの間からドアを開けて2本ずつのイオニア式の柱が立っているあたりですね。
上げ下げ式の窓ガラスがはめ込まれていて、洋館なんだか和館なんだか・・・。

洋間と和室は基準となる寸法が異なっていて、和室と洋間を上下で作る時にはこういったスペースで調整するのが必要と聞いたことがあります。そのためなのか、あえてなのかはわかりませんが、案内されたらまず驚きますわな。

接客機能もある和室
接客機能もある和室

居住スペースなのかなと思いきや、こちらも接客スペースだったようで、和装の方をもてなすお部屋だったそうです。洋館ではあるものの、商いをしている家であり、洋風のおもてなしだけが必要というわけではない。

床の間には五月人形
床の間には五月人形

奥の間には床の間に違い棚。書院造りの和室にかわいらしい洋風の照明。
それでも窓はやっぱり洋風。

窓は洋風だけど障子???
窓は洋風だけど障子???

しかも障子のように装飾されつつ、上げ下げ式の窓ガラスがはめられている。窓ガラスと窓ガラスの間は別にこんなに太い木材を挟むことはないのですよ。だけど障子風に見せるためにあえて使っているのかしら。

和洋折衷であるけれど、できるだけ「和」に近づけるように工夫されている。それでいて外からみるとしっかりと「洋館」。

そしてさすがの材木のこだわりようで、天井はなんと屋久杉!
どんだけ金持ってるんだ!

そして欄間のこだわりもすごい。

日本画の巨匠 松林桂月の下絵をもとに忠実に透かし彫りをしたという作品。まるで筆で描かれたように筆運びまで再現されている。細かいっ!
原画も旧田中家住宅には残されていて、和館の1階に飾られているそうです。

洋間だけでなく、和室にも手を抜かない。いやむしろ、屋久杉など高級木材をふんだんに使って、シンプルながらもよりお金がかかっている。もう言葉が出てこない。

さらに奥へ行くと客間があります。

2階 次の間と客間へ

客間へ
客間へ

客間へ向かう通路もこれまた凝っていて、随所にこだわりが見られます。

窓ガラスもおしゃれ
窓ガラスもおしゃれ

遠目からみると一瞬、障子のように見えるけど、窓ガラスがこれまたおしゃれで、ところどころくりぬいたように外が見えるんだけど、縁取りがされているのです。

和館2階の客間は4畳の次の間、8畳の座敷で構成されています。

4畳の次の間
4畳の次の間

次の間には刀らしきものが飾られていました。この奥に客間があります。

五月人形が飾られた座敷
五月人形が飾られた座敷

五月人形に目が行きがちですが、この客間もまたすごい。

天井には屋久杉竿扶天井
柱、長押はヒノキ。桐やケヤキをふんだんに使っている。

格子窓の細工が素敵
格子窓の細工が素敵

上部の格子の細工も細かいですが、下部の装飾も素敵。

客間の奥も廊下のようになっていて、こちらも次の間のほうの廊下とは全く異なる。
庭園側を向いているので背の高い木の緑も良い装飾になっています。

障子の延長のような窓
障子の延長のような窓

障子の先にある窓。まるで障子のようなデザインです。

和館1階へ続く階段

この日は和館は貸し切りとなっていて、通常はこの青い絨毯の階段から和館の1階へ行くのですが、通行止め。

青い階段は通行止め
青い階段は通行止め

階段からつながる和館は、母屋を設計した櫻井忍夫が亡くなった後に増築され、櫻井事務所によって引き続き設計されています。3間続きの和室があり、奥に行けば行くほど格式が高くなる仕組み。
和館1階はロケ地としても使われていて、装飾がこれまた度肝抜かれるくらい。ぜひ見たかったんだけど、貸切ということで今回は断念。次はぜひ見に行きたい!

建物編はこれで終了。
池泉回遊式庭園と茶室を見に外に出ます。

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