「来て!見て!絶景! いばらきモニターツアー」④ 絶景!五浦六角堂 岡倉天心の精神世界にふれる

10/1~2日にかけて参加した「来て!見て!絶景! いばらきモニターツアー」の続きです。
1日目。ランチの後は茨城県屈指の絶景スポット 五浦六角堂へGo!

icon_airplane_mini 五浦六角堂

ランチのあとは五浦六角堂へ。

五浦六角堂とは、北茨城市大津町五浦にある六角形の建築物。
明治時代に岡倉天心が心を落ち着けて瞑想をするための場所として天心自らが設計した建物です。
岡倉天心。といえば、フェノロサ
この二人はセットで日本史・日本美術史に出てきますね。大学受験では必須要綱ですね~。

時は明治時代。
英語が得意だった岡倉天心はアメリカから来日したお雇い外国人のアーネスト・フェノロサの助手となります。
フェノロサは東洋美術に造詣が深く、日本の美術品の収集家でもありました。
彼のすごいところはそれだけではなく、日本の美術品を管理する行政、そして文化財保護活動にも積極的に携わることにより、日本の美術品を再評価するきっかけを与えました。岡倉天心はそのお手伝いをしていたんです。

有名なエピソードでは、岡倉天心とともに奈良の法隆寺にある八角形の建物「夢殿」の中にある秘仏「救世観音像」の封印を解いた話。

夢殿の扉を開けると「日本が滅びる」と伝えられ、開かずの扉になっていた夢殿を開扉。当時、誰も実物を見たことがなかった救世観音像は布でぐるぐる巻きになっていたそうです。
夢殿の扉を開いたときに僧侶たちは恐怖におののいて逃げ出したというから、呪いや祟り、迷信を信じる日本人だったらきっとその扉を開けることはできなかったことでしょう。
フェノロサがいなければ、救世観音像は現在も布でぐるぐる巻きのまま鎮座し、その姿はいっさい知られずにいたかもしれません。
夢殿の救世観音像は春と秋に特別公開されるので、それに合わせて法隆寺に見に行ったことがあります。
そして岡倉天心は、ワタシがよく遊びに行く谷中(東京都台東区)に住んでいたこともあり、邸宅跡地は岡倉天心記念公園になっていて、六角形の建物があります。
歴史と古美術品好きなワタシにとっては岡倉天心は興味深い人物であり、今回、五浦六角堂に行くのはちょっと楽しみでありました。

と、思いが強すぎて前置きが長くなってしまった。
五浦六角堂、行きます!

五浦六角堂
五浦六角堂 受付は長屋門♪

五浦六角堂は岡倉天心の邸宅の敷地内にあります。
受付はなんと長屋門!岡倉天心の遺族の方から寄贈されたということだから、当時の長屋門に違いない!
入口の時点ですでにテンションがあがっているワタシ。

五浦六角堂
素敵なお庭です

六角堂・天心邸・長屋門は登録有形文化財になっています。
長屋門から天心邸までのアプローチである和風のお庭がまた素敵なんですわ。

五浦六角堂
ゆっくり散策したい

邸宅内にこんなに素敵なお庭があるのですよ!
さすがにこの小道は距離はないものの、雰囲気はすごく良い!

五浦六角堂
六角堂

天心邸を横目に六角堂に到着。天心邸は海に面した崖の上に建っているんだけど、六角堂は崖の突端に建っている。

五浦六角堂
崖の上に建つ六角堂

ほ・・・ほんとに崖の上に建ってるんです。ちょっと目線をそらすと下はすぐ海!

五浦六角堂は岡倉天心が瞑想したり思索にふけるための建物ということだけど、崖の上ということもあり、波音が大きい。しかも砂浜のビーチと違って崖に打ち寄せる波の音が大きいように感じるのだけど、こんな中で考え事をしていたのであろうか。

六角堂の中も六角形で、中央に炉、そして床の間があるのみ。
わずか四畳半という狭さのはずなのに、なぜか広く感じるという不思議な建物です。
法隆寺の夢殿を模したともいわれ、いやいや京都にある頂法寺の六角形の建物を模した!?はたまた中国の杜甫の草堂からインスピレーションを得た!?などいろいろ言われているようです。
谷中の天心記念公園にも六角堂があるんだけど、瞑想や精神世界に傾倒していたという岡倉天心。なんでいつも「六角堂」なんだろう?
五浦六角堂が、いつしか天心=六角堂といったイメージを後世の人間にもたらしたのかもしれません。

そしてここにも・・・

五浦六角堂
朝顔・・・?これも作品です

県北芸術祭の出展作品。
床の間に咲く一輪の花。これ、なんと彫刻なんだそうです。
写真でも肉眼でも、生きた花、朝顔?のようにしか見えない!
「雑草」と説明を受けていたけど、雑草なんてものではなく、「静かなる空間の中に咲く一輪の花」にしか見えないよ!!!
須田悦弘氏の作品で、瞑想の場所を決して邪魔しない、「静かな作品」でした。
もし、岡倉天心が現代に存在していて瞑想をしたとしても、決して邪魔にはならなかったことでしょう。

六角堂にある現代アート。しかも「雑草」と聞いていたので、六角堂の雰囲気を壊すのではないかと懸念していたけど、六角堂含めて一つの作品になっていました。

実はこの六角堂。2011年の東日本大震災の津波に襲われ、土台を残して建物部分は流されてしまったそうです。2012年に再建されたということですが、短命で花が終わる草花と同様のはかなさを感じました。

さて、お次は岡倉天心邸です。

岡倉天心邸
岡倉天心邸

1904年に建てられた岡倉天心邸。
明治維新から約35年後に建てられました。
こちらからの眺めは近代っぽいけど、正面、裏側は明治・大正時代の雰囲気が残る建物でした。

岡倉天心邸
広いお屋敷です

増改築はされていて、最終的には書斎や浴室など一部が撤去されたようだけど、それでも人生の後半を過ごすには十分な広さです。

岡倉天心邸
現代アート作品と一緒に

うーん・・・・。
こういうのが嫌だったんだよな。
作品自体の良し悪しはわからないけど、調和してない。
五浦六角堂の「雑草」とは違う・・・。
ごめん、ちょっとこれは肯定できない・・・。
周りの木々と芝生、天心邸を一緒に撮ろうとすると絶対にフレーム内に入ってきちゃうんだよ。

岡倉天心邸
こんなところまで波が来ました

天心邸の前にあった看板の右足のほうにある巻かれている帯。
東日本大震災の際には、ここまで津波がやってきたそうです。
天心邸は軒下が水につかる程度でしたが、ここより低いところにある六角堂は土台を残して流されてしまいました。けっこうな崖の上にあるわけで。自然の猛威って恐ろしい。

天気が良かったので庭に面した縁側の戸は開いていて、中が覗けるようになっていました。
奥には何かが映写されている!?どうやらこれは今回の県北芸術祭の作品ではないようです。

五浦六角堂
海が目の前!

天心邸の目の前は海!
こんな素敵な風景を毎日眺めることができたなんて、贅沢な!
(台風や大雨の時は怖そうだけど・・・)
石灯籠がいい味だしてるんだよな。

「関東の松島」と称される五浦海岸の中でも絶景の場所にある岡倉天心邸跡。
この日の天気は曇り、ときどき晴れ。晴れた海も素敵ですが、曇りの海も独特の暗さがあって、味わいがありました。
ワタシは五浦六角堂と天心邸を味わいすぎて時間が無くて行けなかったけど、この海と五浦六角堂を海側から見ることのできる五浦岬公園というのが近くにあり、そこからの眺めが絶景らしいです。
(ただし、かなり登ります)
時間があるなら、ぜひ五浦岬公園から六角堂を眺めてみてくださいな。
五浦六角堂。景色がとてもよく、ちょっとした散歩におススメなスポットです。

●五浦六角堂
住所:北茨城市大津町五浦727-2
入場料:¥300(中学生以下は無料)
営業時間:
・4月から9月の期間 午前8時30分から午後5時30分
・10月、2月、3月の期間 午前8時30分から午後5時00分
・11月から1月までの期間 午前8時30分から午後4時30分まで
 (入場は開館終了時間の30分前まで)
定休日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)、年末年始
アクセス:JR常磐線「大津港駅」からタクシーで約5分
ホームページ:http://rokkakudo.izura.ibaraki.ac.jp/access

「高戸海岸」編に続く

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