旧朝香宮邸 ⑦3階のウィンターガーデン 公開再開しました!

今回のみどころ ウィンターガーデン

そして今回の建物公開の一番の見どころが3階にある唯一のお部屋であるウィンターガーデン

2階から上層階に行く階段があるのだけど、コロナ期は閉鎖されていました。
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朝香宮邸 姫宮寝室への廊下のランプ
それでも狭いエリアなので人数制限をしていました。見学の際はスタッフの指示に従ってください
2階からウィンターガーデンに向かうには「く」の字型の階段を登っていくのだけど、ちょうど中間地点に中2階みたいな部屋があり、中にはロフトのような区画もありました。扱いとしては「ウィンターガーデンが3階」なので、うん。中2階で誤ってないよな?
朝香宮邸
中2階?
現在はフリースペースのようになっていて、3階のウィンターガーデンが混雑しているときの待機所として使われていました。
「く」の字型の階段を登った先には2つ入口があり、下記の写真の扉は閉鎖中。朝香宮邸
ウィンターガーデンへの入口はその向かいにある扉でした。人が常に出入りしている状態だったので撮影はせず。
そして広角レンズを持っていたのに、常に人が出入りしているため部屋の全体を撮影することができず、変な構図ばかりになってしまったのが残念。ウィンターガーデンを見に行くためだけに、朝イチで見に行かないとな。
朝香宮邸 ウィンターガーデン
モダンな壁と床に赤い椅子がおしゃれ!
市松模様は日本古来のパターンではあるけれど、ダントツにおしゃれ!昭和一桁台の初期にこの美的感覚はすごい!
殿下と妃殿下のお部屋をつないでいる2階のベランダの床と同じくデザインは宮内省匠寮なのだけど、
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若宮の部屋のあとは朝香宮殿下と允子妃殿下の居住スペースを見学します。 殿下と妃殿下のこだわりがぎゅーっと濃縮された素敵な空間なのです。 2階 書庫 殿下の書庫は本棚ぎっしり。扉からの見学で近くには行けないけれ[…]

殿下 居間
ウィンターガーデンの壁は天然の黒と白の大理石床は左官職人が仕上げた人造大理石ということで、材質は違うものの見事な統一感!そこにマルセル・ブライヤーがデザインした赤い椅子が映える! この椅子は殿下自らが購入したものと伝わっているそうです。これを選ぶ殿下のセンスの良さ! やっぱりフランス留学で本物を見てきた人の眼力はすごいね。
当時の写真を見ると、内装はほぼ変わっていないことがわかる。
朝香宮邸 ウィンターガーデン
1933年頃のウィンターガーデン
旧朝香宮邸 ウィンターガーデン
旧朝香宮邸 ウィンターガーデン

「ウィンターガーデン=冬の庭」。ここは冬の間の植物用温室として作られたということで、この部屋には植物に水を与えるための蛇口や排水溝も備えています。
朝香宮邸の中で最も日当たりのよい場所を温室とする。贅沢な!
日当たりは良いとはいえ、実は冬場はとても寒かったそうで、ヒーターも入っていたそうな。贅沢な!
冬は寒かった分、夏の間は涼しく過ごせたそうです。夏でも冬でもここで赤い椅子に座って日光を浴びながらゆっくり読書したい!

展示を満喫したら新館のカフェでティータイムをしに行きます。

朝香宮邸のアール・デコのデザインがとうとう商品化!

これはめでたい!朝香宮邸を彩る数々のアール・デコのデザインを使って商品化しないかなぁとずっと思っていました。
とうとう商品化が決定!2024年4月から発売されるそうです!

東京都庭園美術館の新館で、各商品のプロトタイプ版が展示されていました。
商品開発のサイドストーリーも展示ポスターのQRコードから見られるらしい。
ワタシのイチ押しは左から3番目のバッグ。白地に赤のカバーがあるバッグは大広間の大階段!アール・デコの文様は階段の手すりの下に刻まれているデザインですね。このバッグ、高さの違うものが入れられて、赤いカーペットでふたをすることになっていてかわいい!
その隣(左から4番目)のバッグのデザインなんて、ウィンターガーデンの排水溝のフタだよ!
それでもグッズ化するとかわいいんだよね。
他にもすでに文房具などで商品化されていて売られているものもあるのだけど、最も商品化してもらいたいのはこれだ!
朝香宮邸 姫宮寝室への廊下のランプ
通称「コンペイトウ」のランプ
かわいい。本当にかわいい。ものすごく真剣に写真を撮っていたところをスタッフさんが声をかけてくれて教えてくれたのだけど、このランプは通称「コンペイトウ」。日が落ちるのが早い冬の閉館間際に来ると、赤や青、白の明かりが天井に映ってとてもきれいなんだそうです。この写真を撮った日はあまり天気が良くなかったので、日中でも天井にきれいに映っていました。
この金平糖ランプ、ピアスにしてほしい!ライトの部分だけでなく、天井からつり下がった「S」の字のフック部分もおしゃれだし、和服や着物姿で付けるのもハイカラでいい!絶対売れるし、買うよ!

新館 「邸宅の記憶」展示

朝香宮邸にはかつての宮家の住まいであったアール・ヌーボーのデザインを取り入れた建物のほかにカフェと展示ルームを併設している新館があります。2023年度の建物公開時の展示は朝香宮の旧所蔵品を中心に展示されていました。
朝香宮邸 新館 展示物
銀製花鳥紋花盛器
菊の御紋がさすがな逸品。鳩彦王と允子内親王の結婚の際に鳩彦王が所属していた陸軍高等官一同から贈られたそうです。陸軍から贈られたということで、縁の下のところには鉄砲が刻まれています。そして星と足下の桜がいかにも軍隊っぽいデザイン。
東京都庭園美術館 新館の展示
允子妃が着用した小袿

左の振袖は萌黄紋緬地破立桶鶴に桜牡丹紅葉の折枝文様刺繍、右は允子妃が着用したという葡萄地小葵菱地尾長鳥花丸文縫取二十織の小袿。小袿は高級な女性が着た略式の着物。どちらも100年前の明治後期のものとは思えないくらい状態が良い。

そして他の展示品もどれも状態がよく、下記のものはどれも朝香宮所有のものです。

そしてこちらは朝香宮所有のものだけではないのだけれど、皇室で慶事の際に贈られるボンボニエールの展示。
東京都庭園美術館 ボンボニエール
技巧的なボンボニエールたち

ボンボニエールとヨーロッパでお祝いの時に贈られるボンボン(砂糖菓子)を入れた銀製の小箱のこと。日本の皇室では明治時代以降に結婚や誕生日などのお祝いがあるときに贈られるようになりました。ちなみに日本では中に入れるお菓子は「金平糖」です。
明治時代から平成までのボンボニエールが飾られていたのだけど、中には「これ、どこにお菓子が入るの!?」という金平糖を入れる場所がないような厚みが薄いものなどある。「鼓」とか「鳥」とか、どこにいれるんだ!?という。でもどれも技巧的でその時々の最高の技術で作られていているはずで、眺めているだけでも楽しかったです。工業デザインが好きな人にこの展示はおすすめです。

ボンボニエールについて知りたいなら・・・

皇室のボンボニエール
明治時代から皇室で慶事に贈られてきたボンボニエールは、その時代の技術を駆使した工芸品でもあります。眺めても楽しいボンボニエール265点をオールカラーで紹介しています。

 

Cafe Teien で上質なティータイムを

展示を見てまわったら新館の展示室に併設してあるカフェで一休み。「Cafe Teien」では和と洋のスイーツがいただけるだけでなく、ドリンクも狭山の煎茶や和紅茶、鹿児島の「ゆたかみどり」などお茶もいただけるんです。
ドリンク付きのケーキセットが1,800円。この日いただいたのはオペラ。
甘すぎるものは苦手なのでふだんはチョコレートケーキは頼もうとは思わないのだけれど、朝香宮邸は別。
良質なチョコレートの甘さはしつこくなく、これがおいしいのですわ!金粉が上に乗っていても下品にならないのはさすが。
そしてお皿もアール・デコなデザイン。これ、大階段の手すり下のデザインなんじゃないかな。うわー。このお皿、ほしい。売ってほしい!
展示の内容と合わせたスイーツが出ることもあり、このときは朝香宮邸「大食堂」にあるルネ・ラリックによるシャンデリアのモチーフになっている「パイナップルとザクロ」のケーキもありました。
見た目は麗しいし、味も文句のつけようがないし、このカフェは本当におすすめ。天気がよければ外のテラスでいただくこともできます。
なお、東京都庭園美術館の入口にあるレストラン Du Parcも一度は行くことをおすすめします。ちょいとお高いけれど、平日のランチなら手が出る金額。日当たりの良い店内でカジュアルにフレンチが楽しめます。美術館の企画展示とメニューが連動していることもあり、ワタシが行ったときはアール・デコのデザインを取り入れたお食事が見た目も良し、味良しで大満足でした!
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お料理のモチーフも朝香宮邸

 

これにて2023年建物公開「邸宅の記憶」のレポはおしまい。建物を満喫できるのは6/4までです!

旧朝香宮邸 庭園から見た建物
旧朝香宮邸 庭園から見た建物

 

<旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)編 終わり>

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旧朝香宮邸物語―東京都庭園美術館はどこから来たのか
朝香宮家についてから旧朝香宮邸の建物、装飾、調度品にいたるまでを解説した本。
写真も多くて読みごたえがあります。旧朝香宮邸に置いてあり、ミュージアムショップでも購入することができます。

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旧朝香宮邸 ウィンターガーデン
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